競馬あれこれ 第168号

実力馬が多数始動する

中山記念を分析する

 
チーム・協会

【Photo by JRA

今回の分析レースは中山記念。G1・大阪杯の前哨戦に位置づけられ、20年にラッキーライラックがここから本番を制した例がある。また、安田記念など春のマイル路線を視野に入れる馬の出走も少なくない。中距離とマイルの両方でG1につながる芝1800mのG2を、過去10年のデータから調べていきたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

4歳の複勝率は5割に迫る

■表1 【年齢別成績】

過去10年で4歳と5歳が各4勝をマーク。特に4歳の複勝率は5割近く、かなりの確率で好走してくる。また、5歳も勝率と連対率で4歳と遜色のない数値を残している。一方、6歳と7歳も1勝ずつを挙げ、決してノーチャンスではないが、4歳および5歳が優位であることは間違いなさそうだ。

前走G1およびG3出走馬が主力

■表2 【前走クラス別成績】

続いて前走クラス別成績を確認しよう。前走国内G1が過去10年で6勝を挙げ、1~3着13回も最多。これに次ぐのが国内G3で、3勝、1~3着10回をマークしている。つまり、前走が国内G1もしくはG3だった馬が、好走の4分の3以上を占めていることになる。一方、重賞でも前走国内G2は、19走で3着1回だけと苦戦している。

前走海外も11走とまずまずの出走例があり、いずれも前走では前年末の香港国際競走を使っていた。気になるのは、前走香港カップが【0.0.0.4】と振るわないこと。前走が香港マイル香港ヴァーズであれば、合算して【1.1.1.4】となかなかの好成績だ。

前走G1で9番人気には入っておきたい

■表3 【前走国内G1出走馬に関するデータ】

前走国内G1出走馬に関するデータを、ふたつ見ておきたい。ひとつは「前走人気」。前走のG1で1、2番人気だった馬の好走率はさすがに高い。ただ、5番人気や6~9番人気の複勝率も大きな差はなく、前走のG1で9番人気以内なら十分だろう。もうひとつは「前走距離」。前走が芝1600~2200mのG1だといずれも複勝率40~50%台だが、芝2400~3000mのG1では複勝率10~20%台にとどまる。この前走G1の距離別の成績差も要確認だ。

前走G3は「前走3番人気以内・3着以内」が目安

■表4 【前走国内G3出走馬に関するデータ】

前走国内G3出走馬についても、ふたつのデータを見ておこう。「前走人気」は、前走のG3で1~3番人気なら合算して【3.4.1.5】と優秀。対して、4番人気以下は【0.1.1.16】と途端に好走しづらくなる。「前走着順」は、前走のG3で1~3着なら合算して【3.4.2.6】と抜群。以下、前走4~5着は過去10年に出走例がないのだが、前走6着以下は合わせて【0.1.0.15】と、これは苦戦を免れないようだ。

前走では4角を9番手以内で回っておきたい

■表5 【4角通過順に関するデータ】

4角通過順に関するデータも見ておきたい。明らかなのは「前走」の4角通過順が10番手以降だった馬が苦戦していること。いつも10番手以降からレースを進めるタイプの馬については、追って届かないケースも想定しておくべきだろう。なお、7~9番手だった馬は好成績を収めており、前走4角9番手以内であれば問題はなさそうだ。

「今走(=中山記念)」に関しても、4角10番手以降から好走した馬は皆無で、「前走」のデータと綺麗にリンクしている。一方、今走の4角を1~4番手で回ると好走率が非常に高く、特に3~4番手の8勝は目を引く。先行できそうな馬を上手に探し当てたい。

【結論】

ポイント「データ面で安心なのはエルトンバローズ」

前走国内G1出走馬6頭のうち、前走9番人気以内だったのはソールオリエンス、エルトンバローズ、レッドモンレーヴ、ソーヴァリアントの4頭。このなかで、データ面でもっとも安心できるのは、前走芝1600mのマイルCSで4番人気、4角8番手だった4歳馬のエルトンバローズである。同じく4歳の皐月賞馬ソールオリエンスは、前走が芝2500mの有馬記念で、そこで4角12番手だった点が気になるところ。実績上位は間違いないが、位置取りのリスクを考慮しておく必要はある。

前走国内G3出走馬も6頭いる。今回のデータ分析からは、前走1~3番人気に合致するボーンディスウェイ、前走1~3着に合致するマイネルクリソーラの2頭を挙げておきたい。ともに5歳馬で、前走中山金杯の4角通過が前者は2番手、後者は4番手だった点も好感が持てる。

中山記念3勝目を目指すヒシイグアスにも触れておくべきだろう。今年で8歳(以上)、前走は香港カップ。過去10年で好走例がないデータにふたつ合致しており、今回の分析では強調しづらいが、なにせ過去2勝でレース適性には疑いの余地がない。年齢的な衰えがないと判断できるようなら、無視はできない存在だ。