競馬あれこれ 第122号

中京芝1600mに戻った中京記念を分析する

チーム・協会

2019/7/21 中京 11R 中京記念 1着 5番 グルーヴィット(3番人気) 

今週は中京記念。3年前は阪神芝1600m、一昨年と昨年は小倉芝1800mで施行されており、「サマーマイルシリーズ第2戦」の「中京記念」という看板通りの中京芝1600mで行われるのは4年ぶりになる。今年は中京競馬場開設70周年記念というサブタイトルも付されたこの一戦。過去10年のうち、本年と同じ中京芝1600mで行われた2013年~19年の傾向をJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して分析したい。

■表1  【人気別成績】

中京で行われた2013~19年の人気別成績は、1~4番人気が計【2.1.6.19】で勝率7.1%・連対率10.7%・複勝率32.1%止まり。人気を考慮すれば複勝率も褒められたものではないが、特に勝率・連対率の低さが目立っている。対して5~7番人気は計【5.3.1.12】で勝率23.8%・連対率38.1%・複勝率42.9%の好成績。単複の回収率も285%・152%と高い。8番人気以下でも【0.3.0.60】と狙えなくはないが、穴ならまず5~7番人気から候補を探るのが良さそうだ。

■表2 【年齢別成績】

年齢別では5歳と6歳が3勝ずつ。残る1勝を挙げている3歳は本年の登録馬不在のため、この5~6歳馬中心でいいだろう。4歳は複勝率こそ悪くないが連対なし。7歳以上も2着1回のみで連対率・複勝率は5.0%と低い。

■表3 【枠番別成績】

前述の通り、今年の中京記念は4年ぶりに中京芝1600mで行われる。このコースは2コーナー引き込み線からのスタートで一見すると外枠不利に思えるが、2013年~19年の中京記念では7、8枠を引いた馬が4勝をマークしており、コース形態に惑わされないようにしたい。ただし、その7、8枠スタートで4コーナーを9番手以内で通過した馬は【0.0.0.10】と好走なし。外枠なら中京の長い直線を利して差してくるようなタイプが狙いだ。

■表4  【ハンデ別成績(牡・セン馬のみ)】

ハンデ別(牡・セン馬のみ)では55.5~57キロが【4.5.4.31】で複勝率29.5%。57.5キロ以上になると【1.0.0.10】で複勝率9.1%、55キロ以下も計【2.1.2.37】同11.9%と好走確率は低い。本年は昨年以前に比べ全体的に負担重量が重くなっていることを考慮し、56.5~58キロあたりを目安にしたい。

■表5  【前走クラス別成績】

表5は前走クラス別の成績である。本年の登録馬はオープン特別組、G1組が中心で、好成績を残している前走G2組は不在だ。また、3勝クラス組とG3組(ともに連対なし)は1頭ずつしか登録がなく、それぞれ表2から減点が必要な4歳馬と7歳馬のため主力に推すのは難しい。オープン特別組とG1組が有力だ。

■表6  【前走オープン特別からの3着以内好走馬】

前走オープン特別からの3着以内好走馬は表6の10頭。このうち牡馬は9頭おり、8頭はハンデ56キロ以上だった。前走がオープン特別であっても、G3のこの舞台である程度重いハンデを課されるくらいの実績が必要だ。また、前走を勝ってきた馬が【2.1.2.1】と安定しており、マイネルアウラート(パラダイスS1着)が馬券圏外に敗れた2016年は他の2頭の前走1着馬が馬券に絡んでいた。これらも含め好走した10頭はすべて前走8着以内と、オープン特別であまり大きく負けているようでは巻き返せない。

■表7  【前走G1からの3着以内好走馬】

続いて表7は前走中央G1からの好走馬4頭である。このうち2頭は3歳馬で1頭が牝馬のため、古牡馬の好走はサダムパテック1頭のみと、やや参考にしづらい感はある。ただ、3歳馬も含め4頭中3頭はG1連対馬。残る1頭・グルーヴィットは前走のNHKマイルCこそ10着だったが、2走前のファルコンS2着など全成績【2.1.0.1】と底を見せていなかった。この組はG1連対実績を持つか、G3以下ではほとんど崩れていないような馬が狙いになりそうだ。

【結論】

前走オープン特別組と中央G1組が主力となる中京記念。今年はオープン特別組からメイショウシンタケ(前走米子S1着)を筆頭に挙げたい。表6本文でも触れたように前走オープン特別1着馬は【2.1.2.1】の好成績で、今年の該当馬は本馬のみ。5歳(表2)、ハンデ57キロ(表4)もプラス材料になる。前走1着とはいえ10番人気での勝利だったため今回もあまり人気にはならないことが予想され、表1で挙げた5~7番人気に収まるようならより強調できる。

一方、前走G1組(表7)でG1連対実績を持つダノンスコーピオンは、連対のない4歳馬で(表2)ハンデ59キロも重すぎる(表4)。そしてG1・G2以外では4戦全勝と底を見せていないルージュスティリアも同じく4歳で、ハンデ53キロ(牡馬55キロ相当)は逆に軽すぎる印象だ。このあたりよりは、前走オープン特別8着以内の馬からウイングレイテスト(前走米子S4着、6歳、57キロ)を上位に取りたい。今年はすっきりと条件をクリアする馬が少ないため、当日5~7番人気(表1)に支持された馬は多少の減点材料には目をつむって狙ってもいいだろう。

 

 

 


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