【共同通信杯展望】素質馬揃いの好カード 賞金加算狙うレイベリング 連覇を狙う堀厩舎からは素質馬がスタンバイ
[GⅢ共同通信杯=2023年2月12日(日曜)東京競馬場、芝1800メートル]
総合力を問われる東京芝1800メートルを舞台に、牡馬クラシック1冠目の皐月賞まで約2か月という適度な間隔で、ダービーまで見据える関西馬にとっては東京コースの予行練習もできる。近年のクラシック戦線で重要度が増しているのがこの共同通信杯だ。昨年も1着ダノンベルーガが皐月賞→ダービーともに4着し、2着ジオグリフが皐月賞馬に輝いている。クラシックとの関連性は本家トライアル重賞(弥生賞、スプリングS)を超えたと言っても過言ではないかもしれない。
今年もここをステップに大舞台を狙う若駒が多数揃った。まずはGⅠ朝日杯FS3着馬レイベリング(牡・鹿戸)。新馬勝ちから中2週でのGⅠ挑戦だったが、初戦とは一変した正攻法の立ち回りで重賞好走馬と互角にわたり合った。初戦で上がり33秒1の切れ味を発揮したように東京コースへ戻るのも大歓迎。ここで確実に賞金を加算したいところだ。
ダノンザタイガー(牡・国枝)は〝出世レース〟のGⅡ東スポ杯2歳S2着馬。1週前追いに騎乗した川田も「まだまだ時間が必要」と評したように成長途上ではあるが、それでも世代の代表格となれる素質の片鱗をのぞかせている。〝3億円馬〟が牡馬戦線の戦力図を塗り替えるような走りを見せることができるか。
戦力図を塗り替える、という意味ではタスティエーラ(牡・堀)もその可能性も感じさせる一頭だ。新馬戦では先行抜け出しのお手本のような競馬で危なげない勝利。1週前追い切りの動きも圧巻だった。堀厩舎は昨年のダノンベルーガに続く同レース連覇を狙う。
ファントムシーフ(牡・西村)は前走のGⅠホープフルSで4着と連勝こそストップしたものの、出遅れが響いての結果なら十分評価できる。先行してメンバー最速の脚でまとめたデビュー2戦の内容は今の東京の馬場で真価を発揮するはずだ。
GⅢ新潟2歳S2着以来となるウインオーディン(牡・鹿戸)、GⅢ京都2歳S4着馬シュタールヴィント(牡・矢作)、こうやまき賞勝ちのコレペティトール(牡・中竹)、新馬が1秒差Vのタッチウッド(牡・武幸)らがここでどんな走りを見せられるか。いずれにしても今後の牡馬戦線を左右する重要な一戦となることは間違いない。