競馬あれこれ 第52号

有馬記念】データもイクイノックス 5歳以下断然!!重量で3歳有利

 

過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す「G1データ王」。今回はスペシャル版「有馬データ王」として、暮れの大一番を精細に分析した。連覇か雪辱か、それとも新星の台頭か。データ班の結論は、父子制覇を狙うあの馬だ。

 【年齢

 過去10年の連対馬は全て3~5歳。6歳以上で馬券に絡んだのは18年3着シュヴァルグランのみ。狙いは5歳以下に絞れる。内訳は3歳【4・2・2・16】、4歳【2・5・1・36】、5歳【4・3・6・45】。3歳が勝率(16・7%)、連対率(25%)でリードする。残り1週間ほどで4歳=古馬扱いとなる状況で、年長馬より2キロ軽い重量で出走できるのは当然有利。5歳は4勝、2着3回と数字上は健闘しているが、うち2勝、2着2回は55キロで出走できる牝馬の好走だった。

 【前走

 菊花賞組が【3・1・2・7】。勝率23・1%、連対率30・8%で他を圧倒する。3歳優勢の傾向ともリンクする。続くのは【2・2・1・12】の天皇賞・秋組。ジャパンC組は【2・2・5・47】。勝率(3・6%)、連対率(7・1%)で見ると分が悪い。かつての王道だが近年は不振。JC組の優勝は17年キタサンブラックが最後。JC→有馬の連勝は06年ディープインパクトまでさかのぼる。ヴェラアズールには不吉な傾向。凱旋門賞からの直行組は【1・1・2・3】とまずまずの成績。遠征帰りを極端に嫌う必要はない。

 【実績

 優勝馬に限れば10頭中8頭が出走時点でG1馬。うち7頭はG12勝以上。15年ゴールドアクター、18年ブラストワンピースは有馬でG1初制覇。2頭共に重賞V&G14着以内という実績があり、これを必須条件としたい。菊花賞2着から臨む3歳ボルドグフーシュは重賞未勝利アルゼンチン共和国杯からの連勝を狙うブレークアップはG1初挑戦という点で、割り引く必要がある。

 【近況

 まず優勝馬10頭は、全て前走で4着以内に好走していた。うち前走1着からの連勝が5頭。大敗から巻き返してもVまでは厳しい。しかも、10頭全てが当該年に1勝以上。その年に未勝利のまま有馬を制したのは、05年ハーツクライが最後だ。次に間隔。3着以内に入った30頭全てが中11週以内=凱旋門賞(10月1週)以降に出走していた。これ以上、間隔を空けての臨戦は厳しい。連覇を狙うエフフォーリアは6月の宝塚記念6着から半年ぶりの実戦。しかも今年未勝利。データからは苦戦必至とみる。

 【結論

 データ班のイチ推しはイクイノックス。3歳馬にして天皇賞馬。4項目も難なくクリアし、通算【3・2・0・0】と底を見せていない戦歴も魅力。有馬通算【2・4・2・7】のルメールの手綱で、父キタサンブラックとの父子制覇を狙う。タイトルホルダーは凱旋門賞の着順(11着)だけが減点材料。上位争いは確実。穴で押さえたいのはジャスティンパレス。有馬がG1初勝利の要件を満たしている3歳馬で要注意だ。

 ○…3歳馬の有馬Vは21世紀となった01年以降で8頭。いずれもクラシック3冠のいずれかに出走し「全て5着以内=掲示板確保」という実績があった。皐月賞、ダービーと連続2着のイクイノックスはこの条件もクリア。ちなみにイクイと同じダービー2着→同年天皇賞・秋Vの実績があったシンボリクリスエス、エフフォーリアは、いずれも有馬を制している。