競馬あれこれ 第53号

1番人気が大苦戦する今年のGI 本命強き暮れの大一番では果たして

 

12月25日(日)に行われる有馬記念(3歳上・GI・芝2500m)まであと4日。同レース連覇がかかる昨年の年度代表馬エフフォーリアや、前走のジャパンCでGI初制覇を飾ったヴェラアズール、ファン投票で歴代最多となる36万8304票を獲得したGI・3勝馬タイトルホルダーなど、力のあるメンバーがそろった。

 今年は新型コロナウイルスに関する規制が緩和。日本ダービー天皇賞(秋)には6万人を超える観衆が駆けつけ、熱戦を見守った。数々の名勝負が繰り広げられた一方で、レース結果には異変が起きていた。それはJRAのGIにおいて1番人気の勝利数が近年稀に見る少なさである点だ。

 今年の1番人気の成績は朝日杯FSまでに[3-2-2-15]と、その勝利数はわずかに「3」。春のGIでは1番人気の勝利はなく、秋に入り天皇賞(秋)イクイノックスがようやく期待に応えた。これは低調な数字と言われた2021年の[7-7-2-8]を大きく下回っており、有馬記念ホープフルSの両方を勝っても、その数字には届かない。

 2020年における1番人気の成績は[16-3-2-3]と驚異の16勝。2019年でも[7-3-4-10]と、今年の3勝がいかに少ないかを物語っている。しかし直近のGIでは阪神JF朝日杯FSと1番人気が連勝。また有馬記念の1番人気は通算66戦25勝と勝率38%だが、過去10年に限ると1番人気が[6-1-1-2]と勝率60%、複勝率でも80%と結果を残している。

 果たして暮れの大一番は2022年のGIの傾向をそのまま表す結果となるのか、それとも1番人気が強い近年の傾向通りになるのか。本命馬の行方に注目したい。