競馬あれこれ 第54号

有馬記念予想】過去4年とは馬場傾向が異なる有馬記念で注目の穴馬

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馬場虎太郎

昨年はエフフォーリアが優勝


 今年の中山芝の路盤は、春に大きなダメージを受けた。そのダメージを回復できず、秋の開幕当初から路盤の状態は良くない。

 先週日曜の中山芝は前日夜から当日未明にかけての雨で湿り、重めの馬場コンディション。

 Aコース使用は今週末で4週目。週中水曜から木曜にかけてはある程度の雨量も見込まれるため、今週の中山芝も先週日曜程度の重めの馬場コンディションが想定される。

 今開催、中山芝2500mは2レース行われた。

 12月4日の中山12Rは5番人気のサザンナイツが逃げ切り勝ち。2着のミステリーウェイも最初のコーナーを2番手で通過。

 12月18日の中山12Rは最初のコーナーを2番手で通過したブローザホーンが1着。逃げたボンベールが6番人気で2着に好走。

 2レースとも連対馬は最初のコーナーを2番手以内で通過。また、連対した4頭のうち3頭が3枠より内だった。

 走りづらい馬場コンディションも影響して、今の中山芝2500mでは脚がたまらず、直線で脚を使うのが難しい。前半から前めのポジションにつけている馬が恵まれていて、道中でも内をロスなく走るのがベターだ。

 有馬記念は近4年連続でトラックバイアス「差し有利」もしくは「超差し有利」と判定。近年は後方待機馬が恵まれている。しかし、今年の馬場傾向は近4年と異なる。今年は今の馬場状況と出走メンバーを考慮すると2017年や2015年と近いレースになりそうだ。

 2017年と2015年の2回では、3着内に好走した6頭のうち5頭が最初のコーナーを4番手以内で通過していた。先行馬を狙いたい。

 ポタジェの前走天皇賞秋はトラックバイアス「 ・前有利」と判定。パンサラッサが大逃げも、2番手以降の馬群は極端なスローペースで各馬の仕掛けも遅かったため、ほとんどの馬は脚を余してしまったレース。

馬場虎太郎

ポタジェに期待


 ポタジェ自身も後方位置取りになったが、当時の東京芝は仮に普通に流れていたとしても末脚の要求度が高い馬場状況。鋭い末脚を使えない馬なので、チャンスはなかったはずだ。

 過去の戦歴からもこのクラスでは先行できることが前提となるが、これまでに比べると前半のペースが緩くなるのは歓迎。

 2走前には1800mでも流れにのれていた馬なので、今回のメンバーならば騎手が無理に抑えない限りは好位を取れる。コーナーが多く、直線も短いコースが得意な馬。想定される馬場状況、トラックバイアスならば内寄りの枠を引けば大いに期待できる
 
 

有馬記念予想】連軸向きはタイトルホルダー? 宝塚記念有馬記念の相関関係を分析

グランプリレースと呼ばれる有馬記念宝塚記念は、レースの“質”が似ている。「2度の急坂」、「直線が短く4コーナーからの加速が必要」、「梅雨の阪神、師走の中山のため芝コースが荒れている」という要因が重なり、どちらもタフなレースになることが多い。この2つのレースについて過去10年の結果から相関関係を見ていきたい。
 
 春の宝塚記念で3着以内に入った馬は、同年の有馬記念で[2-1-4-11]。複勝率は38.9%だ。つまり、宝塚記念で馬券に絡んだ馬が有馬記念に出走した場合、おおよそ3頭に1頭は有馬記念でも馬券に絡む。今年の場合、2着馬ヒシイグアスと3着馬デアリングタクトは有馬記念に出走しない。
 
 同年の宝塚記念有馬記念を連覇した馬は、過去10年でリスグラシューとクロノジェネシスの2頭のみ。連覇の壁に跳ね返された馬は2018年ミッキーロケット、2017年サトノクラウン、2016年マリアライト、2015年ラブリーデイ、2014、2013年ゴールドシップ(その他の年は宝塚記念勝馬有馬記念未出走)。
 
 両グランプリの関連性を考慮すると、タイトルホルダーはデータ的に連軸向きともいえる。強豪ひしめくハイレベルな今年の有馬記念、本命はよく吟味したい。