競馬あれこれ 第51号

有馬記念展望】ジャパンカップVのヴェラアズールと天皇賞・秋Vのイクイノックスが激突

 

第67回有馬記念・G1が12月25日、中山競馬場の芝2500メートルで行われる。

今年6月にはまだ3勝クラスにいた、究極の上がり馬ヴェラアズール(牡5歳、栗東渡辺薫彦厩舎)が中心。秋に京都大賞典ジャパンCを連勝し、一気にG1ホースへと上り詰めた。間隔は詰まっているが、18日は坂路で59秒4―13秒1。ほどよいテンションで、好調をキープしている。

 デビューからダート路線を歩み、体質強化を機に芝に打って出て、潜在能力が覚醒した。中山2500メートルは4月のサンシャインS(3勝クラス、3着)で経験済み。陣営が「荒れた馬場も合いそう」と語るだけに、G1連勝でグランプリを制しても全く不思議はない。

 前走の天皇賞・秋で初のG1制覇を飾ったイクイノックス(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)。皐月賞2着、日本ダービー2着とビッグタイトルに届いていなかったが、夏を超えて一気の充実。

 ルメールが騎乗した、1週前は美浦ウッドチップで軽快に脚を伸ばし、馬なりのままラスト1ハロン12秒0(7ハロンは96秒0)。木村調教師の「ずっと我慢を利かせてほしい」との指示通りの調整で、パワーアップをアピールした。トップコンディションで走れば、能力は互角以上。3歳戴冠があって全く驚けない。

 ディフェンディングチャンピオンエフフォーリア(牡4歳、美浦鹿戸雄一厩舎)は1週前、主戦の横山武史騎手を背に美浦ウッドチップで3頭併せ。集中した走りで加速し、6ハロン83秒4―11秒4でゴールした。横山武史騎手は「春より間違いなく良くなっています」と闘志満々。大阪杯9着、宝塚記念6着、G1連敗の雪辱へここは負けられない一戦だ。

 凱旋門賞(11着)以来のタイトルホルダー(牡4歳、美浦・栗田徹厩舎)、昨年2着ディープボンド(牡5歳、栗東大久保龍志厩舎)の欧州遠征帰りの2頭も巻き返しを期す一戦。

 オールカマーエリザベス女王杯連勝中のジェラルディーナ(牝4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)も充実著しく、母ジェンティルドンナが勝った舞台で、G1連勝を狙っている。

 昨年に続きエリザベス女王杯(4着)からの参戦になるアカイイト(牝5歳、栗東中竹和也厩舎)。今年はまくりで見せ場を作るか。大阪杯勝馬ポタジェ(牡5歳、栗東友道康夫厩舎)、菊花賞2着のスタミナ自慢ボルドグフーシュ(牡3歳、栗東宮本博厩舎)は福永騎手の最後の有馬記念で、マジックが炸裂すれば圏内も。