競馬あれこれ 第132号

スプリンターズS

池添謙一騎手、メイケイエールとのタイトル奪取への思いを激白「今度こそ、はね返され続けてきた壁を一緒に乗り越える!」

 

第57回スプリンターズS・G1(10月1日、中山競馬場・芝1200メートル)

 いよいよ今週、10月1日の第57回スプリンターズS(中山)で、秋のG1が開幕する。池添謙一騎手(44)=栗東・フリー=はコラム「Ken to 1」特別版で、メイケイエールとのタイトル奪取への思いを激白した。

 秋のG1シリーズ開幕戦は昨年と同じく、メイケイエールとコンビを組むスプリンターズSです。これまで何度もコメントしてきたように、重賞を6勝している彼女に足りないのはG1のタイトルだけ。今度こそ、はね返され続けてきた壁を一緒に乗り越える! その一心で臨みます。

 記録的な暑さだった夏は順調に過ごせたのか。確認を含めて20日栗東・CWコースの1週前追い切りにまたがりました。率直な感想は「すごく良かった」。単走で半マイルから直線で軽く促して51秒9―11秒6。相変わらずフットワークは素晴らしく、コントロールも利いていました。ゴールした後も流せていたのは、最近はなかった部分。予想していた以上の手応えがつかめました。

 一番の要因は、放牧先で試していたという特殊なハミに換えた効果でしょう。前走時までの折り返し手綱は制御力があっても2本を操らなければならず、一度リズムが崩れると修正するのが難しかったんです。このハミだと手綱は通常の1本。行きたがって頭が高い位置にあっても、自分で抑え込めている感覚があります。ジョッキーとしてはメンタル面でもすごく楽。正式に決まってはいませんが、競馬でも着ける方向です。

 前走の安田記念はレース中に落鉄があったとはいえ、ヴィクトリアマイルを(フレグモーネを発症して)使えなかった影響が大きかったです。仕上がった状態からいったん緩めて調整。追い切りで“暴走”するなど、心身ともに苦しいところがあったのだと思います。

 今回は調整に関しても不安なところがなく順調。このまま当日を迎えてくれれば、いいパフォーマンスを発揮してくれると感じています。僕自身はこの春、G1騎乗もなかなかできずに悔しい思いをしました。秋は、どこかでG1を勝つのが目標。それが今週のメイケイエールであれば、という気持ちは強いです。最高の結果を出して、たくさんの人と喜べるように頑張ります。(JRA騎手)

 

 ◆池添 謙一(いけぞえ・けんいち)1979年7月23日、滋賀県出身。44歳。98年3月に栗東鶴留明雄厩舎所属でデビュー。JRA通算1万4561戦1359勝(25日現在)。重賞はオルフェーヴルでのクラシック3冠制覇などG1・27勝を含む95勝。弟・学はJRA調教師。162センチ、50キロ。血液型O。