波乱も多い牝馬限定ハンデG3のマーメイドSを占う
2022/6/19 阪神 11R マーメイドステークス 1着 7番 ウインマイティー 【Photo by JRA】
■表2 枠番別成績(過去10年) 【Photo by JRA-VAN】
■表3 前走クラス別成績(過去10年) 【Photo by JRA-VAN】
■表4 前走3勝クラス出走馬の各種データ(過去10年) 【Photo by JRA-VAN】
表4は前走3勝クラス出走馬について、前走の着順別と人気別のデータをまとめたもの。着順から見ていくと、好走した11頭中10頭は前走の3勝クラスで1~4着に入っており、例外は21年1着のシャムロックヒル(前走14着)だけだった。
人気に関しては、必ずしも前走で上位人気に支持されている必要はない。複勝率ベースでいえば、前走1~3番人気より、前走4~9番人気のほうが高い数値を残しているぐらいだ。とはいえ、さらに人気を落とすと厳しく、前走10番人気以下の好走例は19年1着のサラス(前走11番人気)が唯一。最低でも9番人気には収まっておきたいところだ。
ちなみに、前走10着以下から唯一好走したシャムロックヒルと、前走10番人気以下から唯一好走したサラスは、いずれも母ララア。つまり、この姉妹を除けば「前走の3勝クラスで1~9番人気かつ1~4着」が好走条件という見方もできる。
人気に関しては、必ずしも前走で上位人気に支持されている必要はない。複勝率ベースでいえば、前走1~3番人気より、前走4~9番人気のほうが高い数値を残しているぐらいだ。とはいえ、さらに人気を落とすと厳しく、前走10番人気以下の好走例は19年1着のサラス(前走11番人気)が唯一。最低でも9番人気には収まっておきたいところだ。
ちなみに、前走10着以下から唯一好走したシャムロックヒルと、前走10番人気以下から唯一好走したサラスは、いずれも母ララア。つまり、この姉妹を除けば「前走の3勝クラスで1~9番人気かつ1~4着」が好走条件という見方もできる。
■表5 前走重賞出走馬の各種データ(過去10年) 【Photo by JRA-VAN】
表5は前走重賞(G1~G3)出走馬について、前走の着順別と人気別のデータをまとめたもの。ここで注意すべきは、前走重賞で上位着順を収めた馬や、上位人気に推されていた馬が、あまり結果を出していないことだ。具体的には、前走重賞1、2着でも【0.0.0.5】、同様に1~3番人気でも【0.1.0.10】と厳しい結果に終わっている。
その一方で前走10着以下や10番人気以下も苦戦気味だから、「前走の重賞で9番人気以内かつ9着以内」には収まっておきたい。なお、この条件を満たさずに好走した前走重賞出走馬は、13年3着のアロマティコと14年3着のフーラブライドの2頭。両馬ともに前走ではヴィクトリアマイルに出走し、前者はマーメイドSで1番人気、後者も2番人気に支持された。言い換えると、当日に本命・対抗級の評価をされるような馬に限れば、前走の重賞の人気や着順を度外視してもいいかもしれない。
その一方で前走10着以下や10番人気以下も苦戦気味だから、「前走の重賞で9番人気以内かつ9着以内」には収まっておきたい。なお、この条件を満たさずに好走した前走重賞出走馬は、13年3着のアロマティコと14年3着のフーラブライドの2頭。両馬ともに前走ではヴィクトリアマイルに出走し、前者はマーメイドSで1番人気、後者も2番人気に支持された。言い換えると、当日に本命・対抗級の評価をされるような馬に限れば、前走の重賞の人気や着順を度外視してもいいかもしれない。
■表6 芝2000m1着実績に関するデータ(過去10年) 【Photo by JRA-VAN】
マーメイドSは芝2000mの重賞。そして、この条件は中央競馬10場すべてに設定がある。そこで、どの競馬場の芝2000m1着実績が結果につながりやすいのかを調べてみた。それをまとめたものが表6。当然かもしれないが、マーメイドSと同じ阪神芝2000m1着の実績を持つ馬は安定して走っており、過去10年の勝ち馬のうち半数は同コースで勝っていた。また、出走例は少ないものの、4頭中2頭が好走した札幌芝2000m1着の実績を持つ馬にも注目の価値がありそうだ。
しかし、阪神や札幌以外の芝2000mに関しては、1着実績があっても大きなアドバンテージにはならないようだ。ある程度の好走例がある中京や京都にしても、芝2000m1着なしという馬と比較して、連対率や複勝率はさほど変わらない水準にとどまる。
しかし、阪神や札幌以外の芝2000mに関しては、1着実績があっても大きなアドバンテージにはならないようだ。ある程度の好走例がある中京や京都にしても、芝2000m1着なしという馬と比較して、連対率や複勝率はさほど変わらない水準にとどまる。
■表7 前走斤量との比較(過去10年) 【Photo by JRA-VAN】
2023/4/16 中山 12R サンシャインステークス 1着 13番 ビジン 【Photo by JRA】
【結論】
今年のマーメイドSには15頭がエントリー。フルゲート16頭に満たないため、全馬が出走可能となっている。
まずチェックしておきたいのが、過去10年で7勝の前走3勝クラス出走馬。そして、このケースでは「前走1~9番人気かつ1~4着」が好走条件であることを、表4の項で確認した。今年の登録馬で合致するのは、前走のサンシャインSで7番人気1着だったビジンのみとなっている。
前走着順と人気の条件は満たさないのだが、前走3勝クラスではヒヅルジョウにも触れておきたい。というのも、登録15頭で唯一、阪神と札幌の両方で芝2000m1着の実績を持つからだ。前走7着に終わった点を差し引いても、コース適性の観点から侮れない存在ではないか。
続いて前走重賞出走馬。該当馬は5頭いるが、うち2頭は表5の項で記した苦戦データである前走10着以下もしくは10番人気以下に合致する。残ったのはウインマイティー、ビッグリボン、ストーリアの3頭で、このうち、前年の覇者であるウインマイティーはもちろん、ビッグリボンにも阪神芝2000m1着の実績があり、コース適性は十分見込める。過去10年、前走重賞出走馬の勝利がないのは前述の通りだが、手薄な印象の今年のメンバー構成ならデータを覆すチャンスかもしれない。
そのほか、前走2勝クラスの芝で1番人気1着だったゴールドエクリプス、サンカルパ、シンシアウィッシュの3頭も好走候補として挙げておきたい。
今年のマーメイドSには15頭がエントリー。フルゲート16頭に満たないため、全馬が出走可能となっている。
まずチェックしておきたいのが、過去10年で7勝の前走3勝クラス出走馬。そして、このケースでは「前走1~9番人気かつ1~4着」が好走条件であることを、表4の項で確認した。今年の登録馬で合致するのは、前走のサンシャインSで7番人気1着だったビジンのみとなっている。
前走着順と人気の条件は満たさないのだが、前走3勝クラスではヒヅルジョウにも触れておきたい。というのも、登録15頭で唯一、阪神と札幌の両方で芝2000m1着の実績を持つからだ。前走7着に終わった点を差し引いても、コース適性の観点から侮れない存在ではないか。
続いて前走重賞出走馬。該当馬は5頭いるが、うち2頭は表5の項で記した苦戦データである前走10着以下もしくは10番人気以下に合致する。残ったのはウインマイティー、ビッグリボン、ストーリアの3頭で、このうち、前年の覇者であるウインマイティーはもちろん、ビッグリボンにも阪神芝2000m1着の実績があり、コース適性は十分見込める。過去10年、前走重賞出走馬の勝利がないのは前述の通りだが、手薄な印象の今年のメンバー構成ならデータを覆すチャンスかもしれない。
そのほか、前走2勝クラスの芝で1番人気1着だったゴールドエクリプス、サンカルパ、シンシアウィッシュの3頭も好走候補として挙げておきたい。