競馬あれこれ 第75号

AJCC】復活期すユーバーレーベン メジロモントレー以来32年ぶりの牝馬Vなるか

 

飛躍を期す4歳の2頭、ガイアフォースとエピファニーが注目を集めるAJCC(4歳上・GII・中山芝2200m)だが、唯一のGI馬を忘れてはいけない。一昨年のオークスを制したユーバーレーベン(牝5、美浦手塚貴久厩舎)が、復活をかけて参戦する。

 確かに近走着順はさえない。オークスを制した後は7連敗中。3着以内すら一度もない。しかしながら、衰えたと判断するのは早計だ。昨秋のGI2戦を振り返っても、天皇賞・秋が0秒8差の8着、ジャパンCが1秒差の10着だから、大きく負けているわけではない。とりわけジャパンCでは終始大外を回らされる厳しい展開ながら、直線半ばで一旦は抜け出すかのような脚を使っていた。まだまだGIIなら十分に勝ち負けできる。

 このレースで牝馬が勝ったのは32年前、91年のメジロモントレーが最初で最後。その後は延べ21頭が参戦し、95年ホクトベガと96年ダンスパートナーの2着が最高着順だ。奇しくもメジロモントレーのひ孫にあたるノースブリッジがエントリーしている一戦で、ユーバーレーベンが歴史の扉を開けてみせる。