競馬あれこれ 第81号

根岸S展望】ギルデッドミラー&レモンポップら武蔵野S組が中心 名伯楽が送り出す不気味な〝初ダート馬〟に要注意

 

[GⅢ根岸ステークス=2023年1月29日(日曜)東京競馬場、ダート1400メートル]

 フェブラリーSとは200メートル距離が違うだけ。過去10年の優勝馬から3頭の勝ち馬を出し、2着も2回、3着3回がある。本番との関連性は非常に高く、前哨戦としてしっかりと定着しているのが根岸Sだ。1か月後のGⅠに向けて目が離せない一戦となる。

 中心はGⅢ武蔵野S勝ち馬ギルデッドミラー(牝6・松永幹)。昨夏にダート転向して3戦目で重賞Vを決めた。ダートでは1200メートルでも勝ち鞍があるように1ハロンの距離短縮も問題なさそうで、本番に向けて好スタートを切りたいところだ。

 先の武蔵野Sでハナ差2着に敗れたレモンポップ(牡5・田中博)にもチャンスは十分。その前走は初の重賞挑戦で久々のマイル戦、さらには中1週のタイトなローテーションだったことを加味すれば、上々の内容だった。これまでのキャリア9戦で3着以下なしという完全連対継続中(6勝、2着3着)。大器が初タイトルを手土産に本番に進めるか注目が集まる。

 昨年の覇者テイエムサウスダン(牡6・蛯名正)は続くフェブラリーSで2着。本番でリベンジを果たすためにもここで連覇を決めて弾みをつけたい。管理する蛯名正厩舎にとっても重賞初制覇がかかる。昨年の2着馬ヘリオス(セン7・西園正)はその後、2→2→5→2→3着と勝ち星こそないが、コース、距離、展開を問わない安定した走りは非凡なセンスや能力を示すもの。年齢的な衰えも感じさせない。

 ほかにもくせ者が揃った。東京コースは大得意のバトルクライ(牡4・高木)、そのバトルクライに昨年のGⅢユニコーンSで先着しているセキフウ(牡4・武幸)、昨年は大敗も着実に力をつけてきたオーロラテソーロ(牡6・畠山)らがどこまで上位に食い込めるか。

 そして、一発の魅力があるのがホウオウアマゾン(牡5・矢作)。近走は2桁着順続きも、重賞で何度となく好走歴があるように能力は確か。矢作厩舎は過去にもマイルCS大敗後のモズアスコットを初ダートとなった20年の当レースで優勝、続くフェブラリーSも制覇している実績がある。同じような臨戦過程となる本馬も不気味さが漂う。