競馬あれこれ 第191号

前走馬体重と前走着差に注目! クイーンS分析

 

【データ分析】

夏の新潟が開幕し、今週・来週は新潟競馬・札幌競馬の2場開催として施行される。今週は日曜に新潟でアイビスサマーダッシュ、札幌でクイーンSと平地重賞2鞍が組まれている。今回は札幌の牝馬限定重賞、クイーンSをピックアップ。2014年以降に札幌競馬場で行われた過去9回のデータから今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

内の馬番1・2番の活躍が顕著!

■表1 【クイーンSの馬番別成績(過去9回)】

表1は馬番別成績。同日の日曜に行われるアイビスサマーダッシュは外枠有利が定説だが、札幌施行のクイーンSにおいては内の馬番1・2番の好走が目立っている。特に2番は17年アエロリットら最多の3勝をあげ、複勝率88.9%と驚異的だ。昨年はウインピクシスが9番人気で2着と好走、1ケタ人気だった8頭はすべて3着以内に入っている。

1番の複勝率も55.6%と非常に高い。これら1・2番の活躍はクイーンSが開催前半に施行されて内がまだ荒れていないこと、1コーナーまで約180mと短いために好位置を取りやすいことが理由として挙げられる。内でも3番になるとすべて4着以下に敗れており、1・2番の優位性が顕著に表れている。まだ馬番は発表されていないが、今年も1・2番は注目しておきたい。

前走ヴィクトリアMで1ケタ着順の馬が好成績!

■表2 【クイーンSの前走レース別成績(過去9回)】

表2は前走レース別成績。ヴィクトリアM組が一昨年のテルツェットら最多の3勝をあげて複勝率52.6%と優秀だが、なかでも前走1ケタ着順だった馬は14年キャトルフィーユ(前走5着)ら2勝で同77.8%と非常に高い。同レース10着以下とは連対率・複勝率でかなりの開きがある。他ではマーメイドS組が20年レッドアネモスら2勝、福島牝馬S組は16年マコトブリジャールの1勝。前走NHKマイルC1着のアエロリットが2番人気1着、前走オークス3着のドゥーラが1番人気1着と3歳G1組が2勝。ただし3歳馬全体では【2.0.0.12】。斤量が軽く有利なはずだが、前走3着以内に入った上記2頭しか好走できていない。

480kg以上の大型馬は連対なし

■表3 【クイーンSの前走馬体重別成績(過去9回)】

表3は前走馬体重別成績。前走国内レースの勝ち馬8頭はすべて480kg未満で、480kg以上の大型馬からは連対馬が出ていない。特に前走500kg以上の馬は11頭すべて4着以下に敗れていた。480kg未満では460~479kgの範囲の馬が過半数の5勝。複勝率も31.9%と高く、単勝回収率・複勝回収率も100%を超えている。

前走0.9秒以内敗退のヴィクトリアM組・マーメイドS組に注目

■表4 【クイーンSの前走着差別成績(過去9回)】

表4は前走着差別成績。まず前走勝利した馬は【2.1.0.24】で17年アエロリットら2勝も、連対率・複勝率は11.1%と低い。18年以降は出走した11頭すべて5着以下に敗れている。

前走負けのゾーンでは0.9秒以内が複勝率38.0%と優秀で、特にヴィクトリアM組とマーメイドS組が好成績。ヴィクトリアM組の3着以内馬7頭はいずれもクイーンSで3番人気以内に支持されていた。対してマーメイドS組の好走馬6頭はいずれも4番人気以下で、穴としての妙味もある。

【結論】

ヴィクトリアM組ではドゥアイズ、ウンブライル!

今年のクイーンSの注目馬は表5のとおり。

■表5 【今年のクイーンSの注目馬】

(表5は7/24時点)

ヴィクトリアM組からは同レース4着ドゥアイズ、6着ウンブライルの2頭を推奨したい。前走1ケタ着順、前走0.9秒以内負けはスタニングローズ、モリアーナの2頭も該当するのだが、この2頭は前走馬体重が480kg以上。対して、ドゥアイズは前走472kg、ウンブライルも前走474kgと表3で示した好成績のゾーンに入っていた。ヴィクトリアM組では着順上位の2頭を評価しておきたい。

穴にはエリカヴィータを指名したい。前走マーメイドSは勝ち馬から0秒7差の7着と表4で示した好成績のゾーンに当てはまる。3歳時にフローラS勝ちのある馬ながらその後は不振が続いているが、2走前の福島牝馬Sは5着と復調気配。前走馬体重464キロも好材料で、やや時計が掛かる芝1800mはベスト。穴の資格ありとして注目したい。

最後に表1で示した馬番1・2番に入った馬はぜひ馬券候補としてチェックしていただきたい。