競馬あれこれ 第16号

アイビスSD】マリアズハートら今年も韋駄天S組中心! 外枠有利、サンデーサイレンス系は不振

 

傾向くっきり、人気、枠順、血統

 

夏競馬も後半戦。関東圏は新潟が開幕する。オープニングを飾るのは名物直線1000mのアイビスSD。01年第1回から数えて22回目。データも積み重なり、独特のクセはつかみつつある。具体的には血統や枠順、前走距離の偏り。これを把握し、着実に仕留めたい。データは過去10年間のものを使用する。

夏の短距離重賞というと波乱を期待したくなるが、アイビスSDは1番人気【7-2-0-1】勝率70.0%、複勝率90.0%と超堅実。1番人気が10年で7勝もする重賞は記憶にない。以下、勝ち馬は2、7、8番人気。単勝で大きいところは狙いにくい。複勝率も4番人気以内が手堅く、穴もだいたい9番人気以内。10番人気以下は昨年14番人気3着バカラクイーン1頭。今年も昨年同様やや小粒な印象で、伏兵の激走も一切ないとは限らないか。

年齢では3歳【1-2-1-9】勝率7.7%、複勝率30.8%、4歳【3-1-1-16】勝率14.3%、複勝率23.8%、5歳【4-6-5-28】勝率9.3%、複勝率34.9%が主力。7歳【2-0-1-42】勝率4.4%、複勝率6.7%は怖いが、2頭は14年セイコーライコウ、17年ラインミーティアで直線1000m適性が高かった。今年でいえばライオンボスが該当。年齢を理由には軽視できない。

直線競馬といえば、外枠優勢。ここも7枠【2-2-4-16】勝率8.3%、複勝率33.3%、8枠【4-2-1-17】勝率16.7%、複勝率29.2%が有利。ただし、もはや外枠有利は常識。外に馬が集中し、かえって狭くなるような場面もある。直線競馬では内外が逆転するという考えもあり、2枠【1-2-1-13】勝率5.9%、複勝率23.5%の成績も悪くない。また開幕週の良好な馬場状態を味方に内側を一気に攻めた昨年3着バカラクイーンも記憶に新しく、内側だからどうにもならないという考え方は危険かもしれない。

次に種牡馬別成績。着度数別上位はサクラバクシンオーバトルプランアドマイヤムーンクロフネスウェプトオーヴァーボードと並び、上位10位までにサンデーサイレンス系がいない。芝の重賞ながらサンデー系が不振で、ミスタープロスペクター系が強く、バトルプランアドマイヤムーンスウェプトオーヴァーボードロードカナロアマクフィと5頭がランクイン。この傾向を使う側もつかんでいるのか、今年も上位人気候補はミスプロ系がズラリと並ぶ。やはり人気どころを嫌う理由はなさそうだ。

 

今年も韋駄天S組の取捨選択がポイント


ではここからは前走距離に注目し、さらに好走候補を絞り込んでいきたい。

前走距離をみると、前走1400m以上は【0-0-0-18】とさっぱり。好走は前走1000m【3-5-2-27】勝率8.1%、複勝率20.7%、1200m【7-5-8-85】勝率6.7%、複勝率19.0%のみ。とにかく前走短距離出走が必須条件だ。

まず前走1000mについて。前走3勝クラスは【0-0-0-4】で、好走は韋駄天S【3-5-1-23】勝率9.4%、複勝率28.1%にほぼ限られる(ほか、前走海外【0-0-1-0】)。その着順別成績は1着【1-2-1-1】勝率20.0%、複勝率80.0%、2着【1-2-0-1】勝率25.0%、複勝率75.0%。1着マリアズハートが該当する。3着【0-0-0-6】は気になるが、4着【1-0-0-2】勝率、複勝率33.3%までがいい。ほかでは3着シンシティ、4着ビリーバーが候補だ。昨年覇者オールアットワンスやジュニパーベリーの6~9着は【0-1-0-8】複勝率11.1%とやや苦しい。

韋駄天Sでの位置取り別成績は逃げ【2-2-0-1】勝率40.0%、複勝率80.0%、先行【0-3-0-1】複勝率75.0%が好走成績。位置取り別の傾向で見るとシンシティ、ジュニパーベリー、マリアズハート、オールアットワンスと、今年は好走候補が多い。

最後に前走1200mについて。その着順別成績を出す。ざっくりと4着以内がよく、1200m組は逆転を期待したくなるものの、前走で好結果を出した馬を素直に評価するのがよい。北海道から転戦してくるアヌラーダプラ、マウンテンムスメがこれに該当する。また2勝クラス勝ち直後で今回格上挑戦のテイエムトッキュウも怖い。

ライオンボスの前走5着は【0-1-0-7】複勝率12.5%とやや厳しく、函館SS7着ヴェントヴォーチェ、CBC賞6、7着ロードベイリーフ、スティクスの6~9着も【1-1-2-23】勝率3.7%、複勝率14.8%と頼りない。今年も傾向通り、韋駄天S組の取捨選択がカギを握りそうだ。

競馬が好きな方へ